ネットのスラングに「賢者タイム」というものがあります。
いわゆる、性行為の後の「感情の平均化作用」を表した言葉です。特に男性は、射精してしまうと冷静になってしまうんですね。しかし、これはネット時代になってから発生したアイデアではありません。
オーガズムに関するもっとも有名なラテン語の格言に、
かの有名な性研究者、アルフレッド・キンゼーはこの格言を古代ローマの医師ガレノスの言葉としています。しかし、本当のところは、この格言の出典は不明だそうです。
いずれにせよ、古代から「賢者タイム」は認識されてきたのですね。最近の研究によって、この「快感の急激な減退による冷静さ」の科学的なメカニズムがわかってきているようです。またそのうち紹介いたします。
いわゆる、性行為の後の「感情の平均化作用」を表した言葉です。特に男性は、射精してしまうと冷静になってしまうんですね。しかし、これはネット時代になってから発生したアイデアではありません。
オーガズムに関するもっとも有名なラテン語の格言に、
Omne Animal Post Coitum Tristeというものがありますが、これはまさに賢者タイムを表しています。その意味は「すべての動物は、性行為の後に悲しくなる」です。
かの有名な性研究者、アルフレッド・キンゼーはこの格言を古代ローマの医師ガレノスの言葉としています。しかし、本当のところは、この格言の出典は不明だそうです。
いずれにせよ、古代から「賢者タイム」は認識されてきたのですね。最近の研究によって、この「快感の急激な減退による冷静さ」の科学的なメカニズムがわかってきているようです。またそのうち紹介いたします。
ミシェル・ド・モンテーニュ
16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者。「エセー」であまりにも有名。
全世界の動きは交合を目指す。全ては交合への欲望に貫かれている。これこそ、一切を左右する中心点である。
うーん、生物学的な観点からみると、実に深いですね。「性欲にドライヴされる人間」を的確に表しているようです。
フリードリヒ・ニーチェ
ドイツの哲学者・古典文献学者。「ツァラトゥストラはかく語りき」など。
ある人間の性欲の程度と性質は、彼の精神の頂点まで及ぶ。
これも、モンテーニュと一緒ですね。理性では抗えない性の衝動の激しさを適切に指摘しています。
アントゥール・ショーペンハウエル
19世紀ドイツの哲学者。
性欲は、最高の頭脳の持ち主でさえもしばしの間混乱させ、政治的交渉の合間にも顔を出すことをはばからず、もっとも貴重な関係をも解消させ、もっとも固い絆をも断ち切らせ、ある時は生命を、あるときは健康を、またあるときは財産や地位や幸福を犠牲にさせる。
とまあ、三者三様で表現の仕方は違いますが、性欲の本質をついていると思います。
生物学的な理解に乏しく、「性欲に溺れることは絶対悪」というキリスト教的価値観が支配的だった時代に、「オーガズムは理性を超える衝動である」ことを指摘しているのはすごいですね。
漢方発祥の地、中国ですが、セックスについても独特の思想が発達したようです。1000年以上前の中国の「玉房秘決」にも、セックスと医術について記されています。今回はその内容を簡単に紹介しましょう。内容はズバリ、セックスによる病気の治療です。
うーん。一回一回の性交はソフトですが、日になんども繰り返すのはちょっと大変そうですね。このような生活ができれば、パートナーとの関係はとても良いものになりそうですが。もちろん、効果については保証しません。
1)男の精力を強化し、女性の月経過多を治す方法
女性は横向きに寝て、足を広げる。男性も横になり挿入し、18回突く。1日に2回づつ行うと15日で治癒する。2)気を和ませる方法
女性は仰向きに寝て枕を高くする。両足は伸ばして広げる。その状態で男性は挿入し27回突く。1日に3回行う。これを20日繰り返すと治癒する。3)内蔵の調子を良くする方法
女性は横向きに寝て、足を折り曲げる。男は横向きに寝て女性を抱きしめ、女性に対して90度の角度でペニスを挿入する。36回突く。1日に4回行う。これを20日繰り返すと治癒する。4)男性の骨と関節を整え、女性の閉血を治す方法
女性は仰向けに寝る。左膝を折り曲げ、右足は伸ばす。その状態で男性は挿入し、「直角を保って」45回突く。1日に5回行う。これを10日繰り返すと治癒する。5)血行を良くして月経困難を治す方法
女性は横向きに寝る。右膝は折り曲げ、左足は伸ばす。男は手をついて挿入し54回突く。1日に6回行う。これを20日繰り返すと治癒する。6)血液を蓄え、女性の月経不順を治し、男性を力強くする方法
男性が仰向けに寝る。騎乗位の形で挿入する。男性は女性を上下させて63回突く。1日に7回行う。これを10日繰り返すと治癒する。7)体液と骨髄を整える方法
女性はうつぶせに寝て尻をあげる。男性は背後から挿入し、72回突く。8)特に男性の骨を強化し、女性の悪臭を治す方法
女性は仰向けに寝る。足は折り曲げ、尻の下にたたむ。男性は両腿を開いて女性の上から挿入し、80回突く。1日に9回行う。これを9日繰り返すと治癒する。うーん。一回一回の性交はソフトですが、日になんども繰り返すのはちょっと大変そうですね。このような生活ができれば、パートナーとの関係はとても良いものになりそうですが。もちろん、効果については保証しません。
オーガズムは強烈な快感です。その快感を求めるがあまり、時にはセックスにより人生を狂わせてしまう人もいます。
真偽のほどは定かではありませんが、あの有名なロバート・ケネディ大統領の暗殺にもセックスにまつわる噂話があります。
ケネディ大統領が暗殺当時、腰にコルセットをつけていたことは医師らの証言からも明らかになっています。実際、多くの写真や映像で、彼が背筋をピンと伸ばしている姿が確認できますが、それはコルセットによるものなのだそうです。
事件発生時、まず、ケネディ大統領は一発の銃弾に襲われました。その時点では致命傷ではなかったのですが、コルセットのせいで身を屈めることができませんでした。隠れることもできない大統領は、二発目の凶弾に頭を撃ち抜かれ、命を落としてしまったと言われています。
なぜその日、ケネディ大統領はコルセットを着用していたのでしょうか?聞くところによると、ホワイトハウスでの情事の際に肉離れをおこし、その痛みを抑えるためにやむなくコルセットをつけるはめになったということです。
真実は定かではありませんが、ケネディ大統領はあまりにも大きなものを快楽と引き換えにしてしまったのかもしれませんね。
真偽のほどは定かではありませんが、あの有名なロバート・ケネディ大統領の暗殺にもセックスにまつわる噂話があります。
ケネディ大統領が暗殺当時、腰にコルセットをつけていたことは医師らの証言からも明らかになっています。実際、多くの写真や映像で、彼が背筋をピンと伸ばしている姿が確認できますが、それはコルセットによるものなのだそうです。
事件発生時、まず、ケネディ大統領は一発の銃弾に襲われました。その時点では致命傷ではなかったのですが、コルセットのせいで身を屈めることができませんでした。隠れることもできない大統領は、二発目の凶弾に頭を撃ち抜かれ、命を落としてしまったと言われています。
なぜその日、ケネディ大統領はコルセットを着用していたのでしょうか?聞くところによると、ホワイトハウスでの情事の際に肉離れをおこし、その痛みを抑えるためにやむなくコルセットをつけるはめになったということです。
真実は定かではありませんが、ケネディ大統領はあまりにも大きなものを快楽と引き換えにしてしまったのかもしれませんね。
世界各地でペニスを崇拝の対象とする文化が残っています。日本にもたくさんありますね。
特に古代では、ペニスの形状は決して不快なものではなく、それを崇拝の象徴とする信仰が多かったそうです。そのような信仰は陽根崇拝(ファルス崇拝)と呼ばれます。西洋文明のルーツである、ギリシャにもペニス信仰がありました。
さて、ギリシャのペニス信仰はどのように生じたのでしょうか?
春になると新たな生命が芽吹きます。古代人は春を、冬に閉ざされていた自然がよみがえり、新しく生まれ変わる季節と考えていました。春の回帰は占星術では「おうし座」に象徴され、星座では「やぎ座」に対応します。
そこで、古代ギリシャ人は、春によみがえる太陽のパワーを「牡牛」あるいは「山羊」に象徴させ、それをペニスの「命の源」のイメージと結びつけ、崇拝の対象としたのです。聖なる動物の身体の一部を対象とする信仰です。
そういう点では、古代ギリシャのペニス信仰は、ヒトのペニスとの直接的な関連はあまりないようですね。
特に古代では、ペニスの形状は決して不快なものではなく、それを崇拝の象徴とする信仰が多かったそうです。そのような信仰は陽根崇拝(ファルス崇拝)と呼ばれます。西洋文明のルーツである、ギリシャにもペニス信仰がありました。
さて、ギリシャのペニス信仰はどのように生じたのでしょうか?
春になると新たな生命が芽吹きます。古代人は春を、冬に閉ざされていた自然がよみがえり、新しく生まれ変わる季節と考えていました。春の回帰は占星術では「おうし座」に象徴され、星座では「やぎ座」に対応します。
そこで、古代ギリシャ人は、春によみがえる太陽のパワーを「牡牛」あるいは「山羊」に象徴させ、それをペニスの「命の源」のイメージと結びつけ、崇拝の対象としたのです。聖なる動物の身体の一部を対象とする信仰です。
そういう点では、古代ギリシャのペニス信仰は、ヒトのペニスとの直接的な関連はあまりないようですね。
「結婚するのなら相手は処女でなければならない」なんて、いかにも伝統的な考え方のように感じます。
「処女性を重要視すること」は生物学的にも説明しやすいことではあるのですが、日本の長い歴史においてはかならずしもそうではなかったようです。
それどころか、過去には全く反対に「処女のままではこまる、処女のまま嫁に出すわけにはいかない」という時代もあったことがわかっています。
そのような風習は地方によっては昭和初期まで続いていたようで、昭和22年の新聞にもそれに関する投書がありました。ちょっと紹介します。
それによると……敗戦から間もない時のこと、福島県の某村である若者が花嫁をもらうことになったそうです。ところが、つつがなく結婚式が終了したとき、仲人が花嫁の手をひいて帰ろうとしたのです。
実はこの地域では、仲人が「初夜権」をもっており、花嫁が一人前の女性であることを証明したうえで、花婿に「下げ渡す」という伝統的なルールがあったようです。
この古い風習に猛然と反対した花婿を代表とする若者グループと、村の長老たちとの間で論争があり、結局花婿側の意見がとおった……とのことです。
このような風習はなにも福島県にかぎりません。日本全国にみられたことがわかっています。新聞に取り上げられるくらいですから、当時としてもめずらしいことではあったのでしょうが、少なくとも、昭和初期くらいまではこのような風習が残っていたのですね。
「処女性を重要視すること」は生物学的にも説明しやすいことではあるのですが、日本の長い歴史においてはかならずしもそうではなかったようです。
それどころか、過去には全く反対に「処女のままではこまる、処女のまま嫁に出すわけにはいかない」という時代もあったことがわかっています。
そのような風習は地方によっては昭和初期まで続いていたようで、昭和22年の新聞にもそれに関する投書がありました。ちょっと紹介します。
それによると……敗戦から間もない時のこと、福島県の某村である若者が花嫁をもらうことになったそうです。ところが、つつがなく結婚式が終了したとき、仲人が花嫁の手をひいて帰ろうとしたのです。
実はこの地域では、仲人が「初夜権」をもっており、花嫁が一人前の女性であることを証明したうえで、花婿に「下げ渡す」という伝統的なルールがあったようです。
この古い風習に猛然と反対した花婿を代表とする若者グループと、村の長老たちとの間で論争があり、結局花婿側の意見がとおった……とのことです。
このような風習はなにも福島県にかぎりません。日本全国にみられたことがわかっています。新聞に取り上げられるくらいですから、当時としてもめずらしいことではあったのでしょうが、少なくとも、昭和初期くらいまではこのような風習が残っていたのですね。
現代では「ピル」として知られる経口避妊薬。コンドームと並び、世界的にポピュラーな避妊方法です。
もっとも古い経口避妊薬は古代エジプトで登場したと考えられています。コンドームよりも誕生が古い可能性があるそうです。
紀元前1300年頃に書かれたとおもわれる古代エジプトの医学書に、経口避妊薬について記されているそうです。しかし、今となってはどんな薬だったかはわかりません。
その次に経口避妊薬が歴史上に現れるのは、一世紀のギリシャです。ペダニウス・ディオスコリデスがのこした学術書に「シダレヤナギとビャクシンの根」が妊娠を防ぐために効果的、と書かれているそうです。
この「処方」はあながち間違いでもないようで、シダレヤナギには女性ホルモン剤に似た成分が含まれており、擬似妊娠状態を作りだして排卵を止める可能性があるということです。また、ビャクシンの根に含まれる成分には、マウスを使った実験で、受精卵の子宮への着床を防ぐ効果があることが確かめられているとか。
古代の人々はどうやってそれを発見したんでしょうね。
もっとも古い経口避妊薬は古代エジプトで登場したと考えられています。コンドームよりも誕生が古い可能性があるそうです。
紀元前1300年頃に書かれたとおもわれる古代エジプトの医学書に、経口避妊薬について記されているそうです。しかし、今となってはどんな薬だったかはわかりません。
その次に経口避妊薬が歴史上に現れるのは、一世紀のギリシャです。ペダニウス・ディオスコリデスがのこした学術書に「シダレヤナギとビャクシンの根」が妊娠を防ぐために効果的、と書かれているそうです。
この「処方」はあながち間違いでもないようで、シダレヤナギには女性ホルモン剤に似た成分が含まれており、擬似妊娠状態を作りだして排卵を止める可能性があるということです。また、ビャクシンの根に含まれる成分には、マウスを使った実験で、受精卵の子宮への着床を防ぐ効果があることが確かめられているとか。
古代の人々はどうやってそれを発見したんでしょうね。
何年か前、「300」という映画が公開されました。古代都市国家「スパルタ」の男たちが少人数で巨大なペルシャ軍と闘う話です。
スパルタの男たちは少年の頃から戦士として英才教育を受け……という話は実に有名ですよね。現在でも「スパルタ式」などという言葉として残っています。
それでは、スパルタの女性はどのような生活を送っていたのでしょうか。
スパルタの女性が結婚するのは大体18歳くらい。相手の男性は20代後半から30代前半が多かったようです。古代にしては両性とも高齢なのはトレーニングや戦争のためでしょうか。多くの場合、結婚は親によって決められたそうです。
女性にとって結婚はロマンティックな営みというには程遠く、まるで人攫いのような扱いだったようです。残された記録によると、結婚すると頭をそられ、子供を生むためだけにセックスを強要されていた生活だったとか。
また、スパルタには嫉妬がなかったのか、花嫁を「共有する」習慣もあったそうです。子育てが上手で生殖能力が高い女性は、複数の男性の子供を身ごもったと考えられています。
彼女たちは子供を数多く生むことが奨励され、彼女たちにとっても最も賞賛される死に方は「出産の途中で死ぬこと」でした。
スパルタの男性は連帯感を強めるために“男性同士で”公に愛し合っていたにも関わらず、男女間のセックスは影に隠れてしなければならなかったそうです。それは、男女間の接触をなるべく減らすことで性欲を高め、セックスでの妊娠率を上げるため。
全ては子作りのためなんですね。
食うか食われるか、古代の熾烈な環境の中で培われた文化とはいえ、現代の我々から見るとなんとも寂しい気がします。
スパルタの男たちは少年の頃から戦士として英才教育を受け……という話は実に有名ですよね。現在でも「スパルタ式」などという言葉として残っています。
それでは、スパルタの女性はどのような生活を送っていたのでしょうか。
スパルタの女性が結婚するのは大体18歳くらい。相手の男性は20代後半から30代前半が多かったようです。古代にしては両性とも高齢なのはトレーニングや戦争のためでしょうか。多くの場合、結婚は親によって決められたそうです。
女性にとって結婚はロマンティックな営みというには程遠く、まるで人攫いのような扱いだったようです。残された記録によると、結婚すると頭をそられ、子供を生むためだけにセックスを強要されていた生活だったとか。
また、スパルタには嫉妬がなかったのか、花嫁を「共有する」習慣もあったそうです。子育てが上手で生殖能力が高い女性は、複数の男性の子供を身ごもったと考えられています。
彼女たちは子供を数多く生むことが奨励され、彼女たちにとっても最も賞賛される死に方は「出産の途中で死ぬこと」でした。
スパルタの男性は連帯感を強めるために“男性同士で”公に愛し合っていたにも関わらず、男女間のセックスは影に隠れてしなければならなかったそうです。それは、男女間の接触をなるべく減らすことで性欲を高め、セックスでの妊娠率を上げるため。
全ては子作りのためなんですね。
食うか食われるか、古代の熾烈な環境の中で培われた文化とはいえ、現代の我々から見るとなんとも寂しい気がします。
以前の記事で、電動バイブレーターの歴史について書きました。
しかし、女性をオーガズムに導く“治療法”が一般的だった西洋では(参考)、道具を使って性器を刺激するというアイデア自体は古くからあったようです。
最初のバイブレーターは水力を利用したものであったと考えられています。
ローマ時代の遺跡には性器を刺激できるような配置の水道菅があるようですし(残念ながらバイブレーターとして使ったという証拠はありません)、4世紀には聖ジェロームによる「性欲を刺激するので女性はお風呂に入るべきではない」という記述が見つかるそうです。
少なくとも1700年代の後半までには、水力を利用したバイブレーターが開発されています。その多くは、貯めた水を高い圧力で性器にむけて放射するものだったようです。
しかし、それらの道具は高水圧ゆえに痛みを生じたり、皮膚が荒れて炎症をおこしたりと、あまり使い勝手のいいものではありませんでした。
一方、世界初の機械式のバイブレーターは、フランスで開発された“THE TREMOUSSOIR”という機械です(図A)。これは巻き上げ式で、キーを差し込んでバネを巻き上げ、その動力で本体を振動させるものだったそうです。
その後、1869年にはアメリカのGeorge Taylorという人によって蒸気機関(!)を利用したバイブレーターが開発されています(図B)。
しかしこの機械は見た目もゴテゴテしていてあまりにも巨大です。小型のバイブレーターを簡単に入手できる現代に生まれた私たちは、やはり幸せですね。
しかし、女性をオーガズムに導く“治療法”が一般的だった西洋では(参考)、道具を使って性器を刺激するというアイデア自体は古くからあったようです。
最初のバイブレーターは水力を利用したものであったと考えられています。
ローマ時代の遺跡には性器を刺激できるような配置の水道菅があるようですし(残念ながらバイブレーターとして使ったという証拠はありません)、4世紀には聖ジェロームによる「性欲を刺激するので女性はお風呂に入るべきではない」という記述が見つかるそうです。
少なくとも1700年代の後半までには、水力を利用したバイブレーターが開発されています。その多くは、貯めた水を高い圧力で性器にむけて放射するものだったようです。
しかし、それらの道具は高水圧ゆえに痛みを生じたり、皮膚が荒れて炎症をおこしたりと、あまり使い勝手のいいものではありませんでした。
一方、世界初の機械式のバイブレーターは、フランスで開発された“THE TREMOUSSOIR”という機械です(図A)。これは巻き上げ式で、キーを差し込んでバネを巻き上げ、その動力で本体を振動させるものだったそうです。
その後、1869年にはアメリカのGeorge Taylorという人によって蒸気機関(!)を利用したバイブレーターが開発されています(図B)。
しかしこの機械は見た目もゴテゴテしていてあまりにも巨大です。小型のバイブレーターを簡単に入手できる現代に生まれた私たちは、やはり幸せですね。
楽しいセックスライフを過ごすためには避妊が必須です。
現代でもさまざまな避妊法が模索されていますが、すぐれた避妊法を必要としたのは現代人だけではありません。古代においても、さまざまな避妊法が考案されてきました。
古代のエジプト人やアラブ人は、膣内の酸性度を変えることで精子を不活化できることを知っていたのか、酸性の物資を膣内に挿入することで避妊を図りました。
しかし、膣に挿入する物質というのが聞いたらゾッとしてしまうようなものです。それは、ワニの糞やゾウの糞。たしかにそんなものを膣内に挿入すれば膣内の酸度も変わるでしょうし、精子の通り道もふさぐ効果すらあったでしょうが、あまりにも荒唐無稽ですね。
紀元1世紀頃のギリシャ人婦人科医ソラヌスは、避妊のために、鍛冶屋で鉄を冷やすのに用いた水を婦人に飲ませることを勧めていました。これも根拠があったのかどうか。
しかし、そのような眉唾な避妊法だけではなく、ペッサリーのような子宮口にかぶせる道具や、女性ホルモンをコントロールする可能性のある薬草による避妊法などもあったそうです。しかし、どれもこれも確実な避妊法とはいえませんでした。
そういった歴史的な経緯を考えると、信頼性の高い避妊法を使える現代人はやっぱり幸せですよね。
現代でもさまざまな避妊法が模索されていますが、すぐれた避妊法を必要としたのは現代人だけではありません。古代においても、さまざまな避妊法が考案されてきました。
古代のエジプト人やアラブ人は、膣内の酸性度を変えることで精子を不活化できることを知っていたのか、酸性の物資を膣内に挿入することで避妊を図りました。
しかし、膣に挿入する物質というのが聞いたらゾッとしてしまうようなものです。それは、ワニの糞やゾウの糞。たしかにそんなものを膣内に挿入すれば膣内の酸度も変わるでしょうし、精子の通り道もふさぐ効果すらあったでしょうが、あまりにも荒唐無稽ですね。
紀元1世紀頃のギリシャ人婦人科医ソラヌスは、避妊のために、鍛冶屋で鉄を冷やすのに用いた水を婦人に飲ませることを勧めていました。これも根拠があったのかどうか。
しかし、そのような眉唾な避妊法だけではなく、ペッサリーのような子宮口にかぶせる道具や、女性ホルモンをコントロールする可能性のある薬草による避妊法などもあったそうです。しかし、どれもこれも確実な避妊法とはいえませんでした。
そういった歴史的な経緯を考えると、信頼性の高い避妊法を使える現代人はやっぱり幸せですよね。
以前、バイブレーターがヒステリーの治療具として発明された話を紹介しました。
今回は、ヒステリーを治すのになぜバイブレーターなのか、その経緯についてのお話です。話は古代ギリシャまでさかのぼります。
西洋文明の起源といえば、古代ギリシャにあります。西洋医学も長い間古代ギリシャ人の考え方に基づいていました。
さて、古代ギリシャでは、女性の体にも男性の「精液」に対応する「液」があり、それは性交のクライマックスに分泌されると考えられていました。男性と女性の「精液」が交じり合うことにより受胎すると信じられていたのです。
そして、若くして夫を亡くした女性はその「精液」を放出することができないため、子宮に異常をきたし「ヒステリー」の状態になると考えられていたのです*。
*もちろん現代ではこの説は間違いであることがわかっています。
この理論は何世紀もの間、西洋の医師たちに支持されてきました。この理論にしたがえば、当然のことながら治療法は性的なクライマックスしかありません。実際に、オイルを指に塗って長時間女性器を刺激する「治療」が行われていたそうです。
しかし、診察室でクライマックスまで手で刺激するのは時間がかかります。そういうわけで、バイブレーターが開発され、医師たちに販売されたのです。バイブレーターならば数分で済みますからね。
それにしても、なぜヒステリーと診断された女性たちはマスターベーションをしなかったのでしょうか?実は、マスターベーションは古代から不道徳で健康にも悪影響を与えるものと考えられていたのです。性具にも歴史があるんですね。
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今回は、ヒステリーを治すのになぜバイブレーターなのか、その経緯についてのお話です。話は古代ギリシャまでさかのぼります。
西洋文明の起源といえば、古代ギリシャにあります。西洋医学も長い間古代ギリシャ人の考え方に基づいていました。
さて、古代ギリシャでは、女性の体にも男性の「精液」に対応する「液」があり、それは性交のクライマックスに分泌されると考えられていました。男性と女性の「精液」が交じり合うことにより受胎すると信じられていたのです。
そして、若くして夫を亡くした女性はその「精液」を放出することができないため、子宮に異常をきたし「ヒステリー」の状態になると考えられていたのです*。
*もちろん現代ではこの説は間違いであることがわかっています。
この理論は何世紀もの間、西洋の医師たちに支持されてきました。この理論にしたがえば、当然のことながら治療法は性的なクライマックスしかありません。実際に、オイルを指に塗って長時間女性器を刺激する「治療」が行われていたそうです。
しかし、診察室でクライマックスまで手で刺激するのは時間がかかります。そういうわけで、バイブレーターが開発され、医師たちに販売されたのです。バイブレーターならば数分で済みますからね。
それにしても、なぜヒステリーと診断された女性たちはマスターベーションをしなかったのでしょうか?実は、マスターベーションは古代から不道徳で健康にも悪影響を与えるものと考えられていたのです。性具にも歴史があるんですね。
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世の中には、男と女の間だけに愛があるのではありません。
男同士の、あるいは女同士の愛も存在します。異性愛者をヘテロセクシャル、同性愛者をホモセクシャルといいますね。
現在、世界的に見てもホモセクシャルが少しずつ認知されてきているようです。もちろん、キリスト教やイスラム教の影響が強い地域ではいまだに偏見があるようですが、歴史をながめてみると、どうも同性愛は人間にとって自然なことのようです。
江戸時代の日本では、男同士でセックスすることを「衆道」とよび、愛好家は多かったようです。戦国時代の織田信長と森蘭丸の関係も同性愛ですよね。そのほかにも、古代ギリシャやローマ、アメリカインディアン、ニューギニアなど、様々な国・地域で、同性愛に関する記録が残っています。
日本では、同性愛の最古の記録は「日本書紀」に見出すことができるそうです。
それでは、世界最古の同性愛に関する記録はいつごろまでさかのぼれるのでしょうか?
写真を見てください。カイロから50~60キロ離れ、有名な階段ピラミッド付近にあるサッカラの古墳。その中の、もっとも神聖だとされる部屋の中でこの壁画は発見されました。
この壁画が作られた時代はエジプト第五王朝時代。およそ紀元前2400年頃のことです。今をさかのぼること4400年前ですね。
壁画に描かれている男性たちの名はKhnumhotepとNiankhkhnum。彼らはNiuserre王専属のネイルアーティストで、この古墳に2人一緒に埋葬されています。
古代エジプトで、2人の男性が同時に同じ古墳に埋葬されるのは、極めてめずらしいことです。
この壁画はお互いの鼻先をくっつけていますが、これは古代エジプトでの「キス」のような愛情の表現です。他にも、抱き合ったり手をつないだりしている壁画まで残されています。
しかも彼らの名前はそれぞれ、「共に生活する」「共に死ぬ」を意味しており、2人合わせると「共に生き、共に死ぬ」。なんだかロマンティックですね。
以上のことから、KhnumhotepとNiankhkhnumは世界最古のゲイカップルだと考えられています。4000年以上も前の愛情の記録が残っているなんて、なんだか素敵です。
…今回は「セックス」と直接関連する話題ではありませんでしたね。でも、人間の愛と性について考えさせられる、面白いエピソードだと思います。ちなみに、彼らの古墳は、ゲイカップルのハネムーンの目的地になっているそうですよ。
いつも訪問していただきありがとうございます。
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江戸時代の日本では、男同士でセックスすることを「衆道」とよび、愛好家は多かったようです。戦国時代の織田信長と森蘭丸の関係も同性愛ですよね。そのほかにも、古代ギリシャやローマ、アメリカインディアン、ニューギニアなど、様々な国・地域で、同性愛に関する記録が残っています。
日本では、同性愛の最古の記録は「日本書紀」に見出すことができるそうです。
それでは、世界最古の同性愛に関する記録はいつごろまでさかのぼれるのでしょうか?
写真を見てください。カイロから50~60キロ離れ、有名な階段ピラミッド付近にあるサッカラの古墳。その中の、もっとも神聖だとされる部屋の中でこの壁画は発見されました。
この壁画が作られた時代はエジプト第五王朝時代。およそ紀元前2400年頃のことです。今をさかのぼること4400年前ですね。
壁画に描かれている男性たちの名はKhnumhotepとNiankhkhnum。彼らはNiuserre王専属のネイルアーティストで、この古墳に2人一緒に埋葬されています。
古代エジプトで、2人の男性が同時に同じ古墳に埋葬されるのは、極めてめずらしいことです。
この壁画はお互いの鼻先をくっつけていますが、これは古代エジプトでの「キス」のような愛情の表現です。他にも、抱き合ったり手をつないだりしている壁画まで残されています。
しかも彼らの名前はそれぞれ、「共に生活する」「共に死ぬ」を意味しており、2人合わせると「共に生き、共に死ぬ」。なんだかロマンティックですね。
以上のことから、KhnumhotepとNiankhkhnumは世界最古のゲイカップルだと考えられています。4000年以上も前の愛情の記録が残っているなんて、なんだか素敵です。
…今回は「セックス」と直接関連する話題ではありませんでしたね。でも、人間の愛と性について考えさせられる、面白いエピソードだと思います。ちなみに、彼らの古墳は、ゲイカップルのハネムーンの目的地になっているそうですよ。
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現在、バイブレーターには様々な種類があります。手で愛撫するよりもかんたんに適切な刺激を送ることができるので、愛用されているかたも多いのではないでしょうか。
それでは、電動バイブレーターはいつどこで作られたのでしょうか。
電動のバイブレーターはすでに1900年以前には存在していたようです。もともとは性を楽しむ道具としてではなく、「不感症やヒステリーの治療を促進する」目的で英国の医師によって開発されたそうです。
それが一般人の手に入るようになったのが、1900年代。バイブはなんと、5番目に一般家庭で使用されるようになった電化製品だということです。掃除機より9年、アイロンより10年早く普及したとか。
写真で分かるとおり、当時のバイブレータは現在のピンクローターなどと比較して非常に大型です。最近流行のハンディマッサージャーに近いでしょうか。
しかし、もともとは医療用だったなんて興味深いですね。たしかに、性的欲求が満たされないと攻撃性がたかまり、不安定な精神状態になりますよね。
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それでは、電動バイブレーターはいつどこで作られたのでしょうか。
電動のバイブレーターはすでに1900年以前には存在していたようです。もともとは性を楽しむ道具としてではなく、「不感症やヒステリーの治療を促進する」目的で英国の医師によって開発されたそうです。
それが一般人の手に入るようになったのが、1900年代。バイブはなんと、5番目に一般家庭で使用されるようになった電化製品だということです。掃除機より9年、アイロンより10年早く普及したとか。
写真で分かるとおり、当時のバイブレータは現在のピンクローターなどと比較して非常に大型です。最近流行のハンディマッサージャーに近いでしょうか。
しかし、もともとは医療用だったなんて興味深いですね。たしかに、性的欲求が満たされないと攻撃性がたかまり、不安定な精神状態になりますよね。
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