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032012
上部割礼
一般的に「割礼」とは、ペニスの包皮を切除し、包皮が亀頭を覆わなくなるような処置のことを指します。
ユダヤ人、エジプト人、アラブ人が「割礼」を行うことはよく知られていますが、彼らの「割礼」は通過儀礼(イニシエーション)として行われます。世界の他の地域でも通過儀礼としての「割礼」の風習が認められます。今回はオセアニアのちょっと変わった「割礼」を紹介しましょう。
オセアニアでは、「上部割礼」と呼ばれる割礼が行われます。これもアラブ地域と同様、通過儀礼として行われます。フィリピンのセブ島では、伝統的に9~10歳の少年がその「手術」を受けます。
割礼を行うために、まずペニスを竹でこしらえた道具で支えます。包皮を引っ張り、ナイフを「縦に」あてがいます。そのナイフを石などで叩くことで包皮を二股に裂くのです。つまり、「上部割礼」では包皮を縦に割るだけで切り取ることはありません。
処置後はすりおろしたココナッツで傷口を覆い、傷口がふさがるまで海水浴を奨励されるそうです。彼の地では現在でもこの風習がのこされており、病院で処置されるということです。
図(上の小さな棒片)は、大英博物館に収蔵されている割礼用のナイフです。ニューカレドニア島のものだそうです。収蔵されたのは1898年。古来この地域では、このような道具で割礼を行なってきたのでしょうね。